PCでイラストを描くこのご時世ですが、アニメーターの現存のアニメーターのほとんどは手描き、
紙に直接、鉛筆で絵を描いています。
アニメーターは絵を描く仕事であり。
つまるところ線を引く、描くのが仕事です。
今回はアニメーターが絵を描くときどんなことを気をつけているのか、
そして、どんな技術、知識を持っているのか教えたいと思います。
アニメーターの道具
昨今では3DCGで作られた作品もよく見かける用になりました。
2D【作画アニメ】などでも、3DCGのパートや、背景、一部の作画(車など機械類)に所々見受けられます。
将来的な事を予測するのなら、ペーパレスが進みタブレット端末での作画が進んでも手作業での作画が今後も長く残ると思います。
ここでは私が実際、動画、原画マン時代の体験を元に、アナログ作画で使える現場での道具をご紹介します。
鉛筆
アニメーターはスーパーなどでまとめ売りされた鉛筆などは使いません。
そしてHB以下の薄い鉛筆を使う事は一切ありません。
紙に作画された線は薄かったり、かすれてたりすると読み取ることができないからです。
アニメーターになったらこれだけは持っとけ「ファーバーカステル」と「ステッドラー」のBの鉛筆
動画をやっていると作画の描き込みの激しい仕事をする事があります。
そんな時、この「ファーバーカステル」・「ステッドラー」社のBの鉛筆を持っていると、細かいパーツや描き込みが激しい作画をしているとき非常に便利です。
正直割高だが、使い所を限定すれば心強いアニメーターの見方です。
アニメーターは時に細部の描き込みを描かなければならず、通常の鉛筆だと直ぐに先端が太くなってしまい、何度も鉛筆を削ら無ければなりません。
作画用紙・レイアウト用紙
どちらも市販されていますが、まず上記にあげたスーパーや文房具のチェーン店などには置いていません。
単純な画材屋でも扱っている所も少なく一定の店舗やアマゾンなどで買いましょう。
作画用紙
昔と違い、下剤は横長の紙に上の不部に三つの穴、【タップ穴】と呼ばれる、紙を重ねて作画する為の穴が空けられています。
主に動画に使う者です。
自主練習として購入するならかまいませんが、
「自分でも作りたい」
「学園祭などで発表したい」
と言うのならば、スキャンし動画編集をする手段を確保したうえで購入して下さい。
作画用紙で出来るのはあくまで作画までです。
レイアウト用紙
こちらは先程の原画用紙にフレームと呼ばれる、テレビに映る枠の部分があらかじめ印刷されたものです。
他に違う点と言えば原画用紙より若干薄いと言うことでしょうか。
薄く印刷されている分、割高になっており、尚且つ販売されている枚数も少ないです。
一見カッコいい用ですが、こちらは日頃の練習としてはまず買う必要はありません。
学校などで制作活動で実際に使う分には、必要かも知れませんが、現場では会社側から作品や制作事務所ごとに、社名が印字されたレイアウト用紙を貰うことが出来ます。
【新人が入社1日目に必ずチェックされる】動画の線のポイント
アニメーターは入社しても直ぐに作画を任されることはありません。
まず動画を経て、二原、と順を追って昇格していき、最後に原画マンになります。
更にそこから、動画検査、作画監督補佐、作画監督と別れていくのですがここでは割愛させて貰います。
入社1日目の新人は先輩アニメーターを実力を把握しておらず、仕事の振り方を決めるためまず
線が綺麗に引けるかをチェックします。
線が途切れてる
アニメが描かれる最後の作業工程は動画です。
動画が原画を清書し、更にそこに中割りを加えたものを先輩の原画マンや動画検査に持って行き、必ず毎回チェックをうけます。
理由は制作事務所がそれを持って行き直ぐ仕上げに渡すからです。
つまり動画マンのあなたは、アニメの最終工程をするのです。
線が途切れていれば仕上げが直し、ゆがんだ線の動画を渡せば、リテイクとして戻ってき、二度手間や、再度作画し直す必要があるため、場合には金銭も発生し、制作会社は時間も制作資金も使わねばなりません。
線が途切れやすい人の簡単な見分け方
自分の名前を漢字で書いて下さい。
なんとなく描いた自分の名前に所々、線が途切れいませんか。
それがあなたの癖です。
線の途切れやすい私の場合、線どころか形も崩れ、一筆がになったしまいます。
日常に使うノートなどを観て、無意識に使ってる字や線をもう一度、客観的に観て下さい。
途切れない線を引くポイント
物理的なアプローチで無意識下で線抜けを防ぐがあります。
B2の濃い鉛筆を使って下さい。
作画ではほとんどの会社でB~2Bの鉛筆を指定されます。
かすれ、線抜けを防ぐため、2Bの鉛筆を使いましょう。
作画用紙の白色と2Bの濃い黒のコントラストがBの鉛筆を使ったときより強まり、線抜けを見つけやすくなります。
作画がし終わったら、紙の表と裏をトレス台に透かし、線が抜けていない部分がないか確認しましょう。
全部まとめては、ダメです。
1枚、1枚、作がし終わったらその都度、確認してください。
線がなめらかじゃない
なめらかな線。
蛇行やゆがみのない、まっすぐな線又は流れに沿った線を言います。
具体的には、髪の毛やボール、顔の輪郭などの緩やかな曲線。
原画を清書又は、動画を中割りする時、このような線は実際のテレビで観るととても目立ちます。
決して安易に考えず、日々きを着けながら、技術力を向上させて下さい。
長くなめらかな線を引くためのポイント
なめらかな線を描けるかどうかはアニメーターにとって必衰です。
普段使わない線の引き方なので、人によってははじめは出来ない人もいるでしょう。
手首を大きく使った描き方。
手首の可動域を大きく使いましょう。
髪の毛一本を生え際から、毛先の方まで。
出来ることなら、一筆書きで。
線を途中で止めて継ぎ足すことも良いですが、
ビジュアル系アニメの髪の毛の細さを描くとき、つなぎ目が目立ちます。
細心の注意を払って線をなぎ合わせるのもいいですが、その場合とても面倒な事だけは頭に入れときましょう。
鉛筆の持ち方で二倍になる線の長さ
上記を掛け合わせ更に動画作業が格段にあげる、気をつけたいポイントがあります。
それは、鉛筆の持つ位置です。
普通に鉛筆を持つとしたら、鉛筆の芯から削れた所の後、削られていない部分を持つのですが、
たまにこれを削られたところギリギリの境の部分に指を置いて握っている人いますが、
これは、自分の描いた線と手が重なってしまい、短く持つことで可動域が狭くなり、
長い線が描きにくくなってしまっています。
鉛筆を短く持つことで、必要以上に手や指に負担を大きく掛け、尚且つ線も引きにくいの三重苦となっています。
変に鉛筆を短く持つのはやめ、本の5m~1cmほどでいいですから、指に無駄に力が入らない持ち方をして下さい。
【まとめ】間違った線を引き続けた先輩の末路
私がアニメーターとして入社したての時、同じように動画マンの先輩がいました。
何かと面倒を見て貰い、同年代で同じ男性ともあり話も弾んだのですが、ある日腱鞘炎を患い手や肩に湿布や電気マッサージの機械などを着けているのが見えました。
アニメーターは、歩合制で尚且つ激務です。
勤務時間も長く10~12時間が基本でしょうし、早く帰れてもその後直ぐに自宅で、筆を持ち自主勉強の毎日です。
腱鞘炎になるアニメーターなんてざらにいます。
ですが腱鞘炎の理由は私の経験上、常に忙しすぎる作画監督などの替えの効かずなおかつ、仕事を空けることの出来ない人がなるのならばまだしも、動画マンや原画マンがなってしまうのならば
それは日頃の鉛筆の持ち方が悪いせいです。
鉛筆の持ち方が悪く、手が痛みやすい人はハッキリ言って、
「諦める」ことをおすすめします。