「アニメーターとして暮らしていくには、どうしたらいいの」
「絵を描く以外の何かすることはないの?」
アニメーターの給料はすごく安く、また離職率も激しく高いです。
私はアニメーターとして都内で10年ぐらい生活していきましたが、その間やめていく人は8人ほどいました。
何年も先に入社した先輩から、後輩、同期の入社の同僚。
そして私自身もその中の一人です。
今回は私と私が勤務する間にやめていったアニメーターたちの労働環境と生活環境をみて。
アニメーターが長く勤めできるとことなら生涯を通じてはたれいていける環境を提示したいと思います。
目次
アニメーターとして一生を遂げるための生活環境
アニメーターの給料は安いということは、周知の事実ですが、では一体どのくらいかというと
「時給450」
というのが私の答えです。
私の会社は低く見積もっても業界内じゃ中堅の老舗のグロス受け会社でした。(1話分の仕事をまとめて仕事を受けること)
上には上がいるものですが、まず皆さんが経験するのはこういった事実であると思います。
都内で生活する上で必要な経費
アニメ制作会社はどこにでもありわけではありません。
多くは東京都内にあります。
ですから、生活するには高い住居費と食費
さらに公的機関への税金として、国民健康保険、年金、都民税までもがかかります。
平均で国民健康保険1.2万円、年金1.6万円、都民税0.9万円
ざっと合わせて、生活費以外で3.5万円がかかり、さらに都内の1ルームの平均は(住宅情報サイトホームズ調べ)8.5万円と高額です。
さらにそこに電気代、ガス代、水道代などを加えます。
つまり平均で12万円以上の給料を稼がなければいいけません。
都心に住んでいない場合必然的に、入社した制作会社付近でアパートなどを借りなければならないため、必然的に家賃を選ぶ選択肢も狭まります。
生活していくためには1日の大半を仕事につかう必要がある
ですので先に述べた時給で換算すると、週休1日(基本です)で月25日勤務とし、たら最低でも日給5千円ほど稼がなければなりません。
つまり少なくとも1日の最低勤務時間は10時間になります。
もちろん技術が向上することで1日にこなす量や給料も変わってきますが、多くて100~200円上がるくらいでしょう。
2~3枚の二原作業(原画を清書、足りない原画の制作)
生涯を通じて描き続けるための理想の条件
ではこんな労働状況でも続けていくにはどうすればいいでしょうか、敗者の弁ですが、私の率直な意見は、十分な準備としっかりした予備知識だと思います。
就職前の勉強
まずしっかりと必要な技術を把握しましょう。
「しっかり勉強してください」なんてものではなく、
就職したあと、どんな技術が必要であるか調べ、それに適した勉強を重ねていってください。
そしてできることならバイトなどをして最低でも半年ほど生活していける蓄えがほしいです。
居住環境
会社から徒歩で行ける距離で借りてください。
私の会社では駐輪所がありましたが、料金は取られます。
居住地を職場の近くに取る最大の理由は、時間を節約するためです。
アニメ制作は急な残業もあり、スケジューリングがうまくいかず、時間を確保する際に一番削れるのは出社と帰宅時間です。
そして何よりも、ここで時間を確保することで、家に帰った際、会社では勉強できなかった箇所の勉強をする時間が作れます。
新人の頃はとにかく動画作業をテンプレート的にこなし、大半の時間を原画の清書と中わりに使ってしまいます。
画力を上げ少しでも早く昇格するためには、自分のスキルアップの時間を確保することが意外とのち自分を助ける最大の努力になります。
職場環境
これはずばりどの会社に入社するかです。
あえて言いますが絶対に下請けの会社には入社しないでください。
グロス受け、元受けのどちらかの二択に絞り、ひたすら面接を繰り返してください。
実際の職場で学ぶことも多いですが、初めの一歩目でわざわざ最下層の下請け会社しか受けらないようであれば、
バイトなどし活動資金をためながら、画力を磨き、徹底的にポートフォリオと画力を磨き上げて下さい。
最下層の職場環境は、とにかく毎日が残業と締め切り前のしわ寄せで、休んでる暇がありません。
まとめ:捨てた分だけ強くなる
好きを仕事にするとプライべーも好きなものでなくなってします。
ですが、生活するうえでお金が必要なのは確かです。
そしてアニメーターの給料が非常に安いことも……。
会社を去っていった人がいまどうしているか私にはわかりません、ですが今でも年に1度酒を飲みかわす先輩も生活が楽になっている様子はありません。
一見華々しい業界ですが、アニメーターという仕事は泥臭い肉体労働だと言えます。
さらに給料も安いと……
しっかりと事前の情報収集と準備が生涯を通じてアニメを描いてくことにつながります。